Redbedhead が運営する自立支援シェアサロンThe Vase -hair design lab- に新しい仲間、Kanaが加わりました.
ニューヨークロックダウンの影響を受け帰国したスタイリストです.
自ら完全自由出勤完全歩合のフリーランサーという働き方を志願して相談に来てくれました.
その働き方を選んだ理由は、この国の一般的な雇用形態の美容室に入ると、一生海外には行けない事と、今回のコロナ禍の中で本人が美容師として自分がひとり立ちできるチカラを持ってないと、社会も店も誰も自分など守ってくれない事に気づけた事です.
僕がヴァーズを作った時から常々言っている、「60歳で雇われてる美容師理容師、もしくは60歳で定年退職して悠々自適な老後生活送ってる美容師理容師見た事あります?」という質問の意味.
殆どの髪の仕事に携わる技術者は30歳,40歳までに独り立ち出来る美容師力を培って生涯全うするか、それが出来ない人間は途中離職するかの二者択一です.
その意味が今回のコロナ禍の中で彼女は気付けたのだと思います.
僕も彼女と同じ歳の頃、この国に帰ってくる予定では無かったにもかかわらず、同じく志半ばで思いを折られ突然の帰国を余儀なくされた人間の1人なので、彼女の気持ちは痛いほど解ります.
カナも同じだとは思いますが、帰国した日から1日たりともまた海外で美容師するという思いが無くなった日はありません.
僕は手を伸ばせる美容師には、環境も給与も多大に与えたい、手を伸ばさない人には技術も環境もこちらから与える事はしない経営者です.
手を伸ばした先には色々準備出来ますが、伸ばし方は自分で気付かないと僕にはどうする事も出来ません.
素質は僕がいくら言っても変わらないと経験上思うので.
保障や福利厚生をたくさん与え、過保護になる事が、結果その美容師の将来を潰すと思ってるので、カナの様に自分からこの働き方を志願してくる美容師の方に興味が沸き、力になってあげたいと単純に感じます.
僕の使命は終身雇用では無く、カナが美容師力の培える場所と環境を作り、そして育ち、もう一度海の向こうで美容師をさせる事、もしくは自由に海外と日本の往来が出来る生活の送れる美容師にする事です.
その中でもし目指す場所が一緒ならば、ずっと同じ船に乗って共に戦っていきたいと思っています.
それはアシスタントのハルにも同じ事です.
目指す場所が同じなら僕が新たな道を作り、彼女達が茨の道を歩む必要が無い様に、道と場所を準備してあげたい.
現在は世界が分断されてるので、下に根を伸ばすしかありませんが、僕個人としては道を開拓する準備は整っています.
ただし、その道を歩むのは彼女たち自身の足.
その道を歩んで行く為に必要な足腰のチカラを鍛えるのがThe Vase と Redbedhead という船です.
【拘束と保障】と引き換えに【自由と責任】を得る事を選んだ彼女の美容師人生の飛躍の場になれば幸いと思いながら応援しています.
今後もカナを含む、Redbedhead -hair design works-,The Vase -hair design lab-の、日本の田舎に潜む少しだけクセ強め美容師達を宜しくお願い致します.