10周年

 

Redbedhead 10th anniversary 🙌

本日でRedbedhead は10周年を迎える事が出来ました。

正直10年前のあの日の自分からは全く想像もしてなかった形での10年間でした。

 

売上無く、あるのは借金と根拠の無い自信だけのスタート。

来て頂いたお客様にその時の自分のベストを出す事だけを続けて来た結果、特に宣伝広告を打つ事なく10年続ける事が出来ました。

 

気づけば経営者的にもフリーランス制シェアサロンのThe Vase(ザ ヴァーズ)開業、私自身が発起人となり起こした株式会社フェアバンクス設立、そして先月3店舗目となる、絶景の中で髪のお手入れの出来るBLUE POST が始まりました。

 

誰にも邪魔されずに真っ直ぐに美容師やりたいだけで始めた自営業の道には技術以外の学びもたくさん待っていました。

 

しかし今もこれからも私が1番大切にするのは美容師としての技術。この仕事に就いて20年程経ちますが、ずっと同じ事を突き詰めていながら、観てる景色はどんどん変化しておりますので、まだまだ伸び代はあると感じております。

 

この業界は過去30年40年ほどで商業ベースになりすぎた為、美容師=サービス業、というイメージが特にこの国では強いですが、世界的に見れば美容師=職人、クリエイター、という認識の職業であり、私個人としても、あまりサービスを売っているという認識より、お客様の髪を修理メンテナンスする歯科医的な部分とファッションデザインの部分を大切にする姿勢で携わっております。

 

もちろん接客業という事に変わりはありませんが、洋服で例えるなら私達は洋服を売っている販売員では無く、服のデザイナーやテーラー、仕立て直し屋さん側であり、オーダーメイドの手仕事です。

 

そもそもサービス大国ニッポンの観点からすると、タブーでしか無い見た目でずっと美容師やってるので接客の事など語れる立場ではありませんが。笑

 

ただ人の髪に携わる手仕事は歴史が長く、この国でも鎌倉時代から始まったと言われております。余談ですが旧石器時代の人間も自分達で樹木で髪を染めていたらしいです。

人々の髪に対する欲求に応えるこの仕事は、数々の戦争が起こっても疫病が流行っても淘汰されず、今日まで生き残って来ました。

長きに渡り人間の生活に寄り添い、ガス屋さんや電気屋さんより歴史の長いライフラインの仕事、そしてこのパンデミックでも理美容は生き残りました。

 

もちろん全ての理美容師が生き残っていける訳ではありません。免許取得10年後の離職率90%、そして開業したとしても10年後にはその90%は閉店、20年後は0.3%というデータもあるくらいです。

 

弱肉強食で理不尽の塊のようなこの仕事この業界ですが、これまでと同じく理不尽への怒りをガソリンに替えて11年目以降もしぶとくしつこめに生き残っていく為に、その時点での自分のベストを出し続けるよう精進し感謝の気持ちを技術で返したいと存じますので、今後とも宜しくお願い致します。

 

 

Kohsuke